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みらいトーク(むらづくりワークショップ)を開催しました
参加ありがとうございました!
北塩原村では、次期総合振興計画のビジョンづくりに向けて、村の将来像を住民の皆さんと一緒に考える場として「みらいトーク(むらづくりワークショップ)」を開催しました。
当日は、地域幸福度(Well-Being)調査の結果を共有しながら、「北塩原らしさ」や「これからの教育のあり方」などについて、参加者の皆さんと意見交換を行いました。

開催概要
◆ 裏磐梯会場
- 日時:令和7年11月21日(金) 18時00分~20時00分
- 場所:自然環境活用センター 和室
- 参加者:11名(住民の皆さん)
- 役場プロジェクトチームメンバー
◆ 北山会場
- 日時:令和7年11月28日(金) 19時00分~21時00分
- 場所:北塩原村役場コミュニティセンター
- 参加者:16名(住民の皆さん)
- 役場プロジェクトチームメンバー
当日の流れ
両会場とも、はじめに企画室から次期総合振興計画のビジョン策定に向けた趣旨説明を行い、続いて地域幸福度(Well-Being)調査の結果(約463名の回答をもとにした主観×客観の分析)を動画等で共有しました。そのうえで、「守りたい“北塩原らしさ”(アイデンティティ)」と「実現したい未来(シナリオ)」をテーマに、グループごとの意見交換を行いました。
裏磐梯会場の意見・アイデア
1 「北塩原らしさ」について
裏磐梯会場では、まず「北塩原らしさとは何か?」について話し合いを行いました。
主なキーワードとして、次のような意見が挙がりました。
- 山や湖、星空、鳥などの豊かな自然景観と自然の恵み
- 四季がはっきりしていること(ただし、日常生活の中で景色を眺める機会は減ってきていることへの気づき)
- 小さなコミュニティならではの温かさや、顔の見える関係性
- 裏磐梯小・中学校など、特徴的な建物の景観
- 少人数教育や、磐梯山噴火後の開拓の歴史
- 観光を通じて都市とつながっていること など
そのうえで、「自然の中で暮らすこと」「顔の見える関係性」といった点を、今後も守っていきたい北塩原らしさとして共有しました。
2 「教育」をテーマにした未来の姿
裏磐梯会場では、特に「教育」がテーマになり、次のような課題認識と提案が出されました。
- 子どもの数が少なく、小中学校の存続や部活動の選択肢が限られていることへの危機感
- 預かり施設がなく、保護者の就労や働き方に制約が生じていること
- 習い事や活動の場が不足し、「この村にいることで子どもの可能性が狭まるのではないか」という不安
これらを踏まえ、次のような具体的なアイデアが挙がりました。
- 山村留学・短期入学体験の受け入れや、住宅(学生寮)の整備による外からの子どもの受け入れ
- 裏磐梯地区への未就学児の預かり施設の整備や、観光客も含めた短期利用による利用者拡大の工夫
- 宿泊施設のテニスコートやプールなど、民間施設を行政が支援し、子どもの活動の場として開放すること
- 地域住民や移住者のスキルを活かした「寺子屋」のような学びの場づくり
- 特区制度の活用も視野に、「観光科」「防災科」など地域の強みを生かしたカリキュラムづくり
3 その他の主な論点
教育以外にも、次のような視点が出されました。
- 雄国沼などの観光資源を利用する際の村民負担(シャトルバス代等)と、村民優遇による愛着(シビックプライド)醸成の必要性
- 景観や高原野菜など、外部から高く評価されている資源の価値再確認
- 北山・大塩と裏磐梯では、定住・農業中心と移住・観光中心など、地区ごとに求める暮らしや課題が異なることへの認識
- 雪対策や配偶者の就労先など、移住者が感じる生活面の課題
4 参加者の声と今後の検討
行政への厳しい意見もある一方で、
「行政の手が回らないのであれば、場所や許可さえあれば自分たちでやる」
「若い世代の意見を聞く場として、今回のみらいトークはとても有意義だった。継続してほしい」
といった、協働に前向きな声も多く聞かれました。
一方で「内容が少し難しく感じた」という意見もありました。次回以降は、あらかじめ大枠の方針やたたき台となる素案を示したうえで議論するなど、参加しやすい工夫を検討していきます。
北山会場の意見・アイデア
1 「守りたい北塩原らしさ」
北山会場でも、「北塩原らしさ」について、自然・産業・教育・文化・人のつながりといった観点から意見交換を行いました。
主なキーワードは次のとおりです。
- 【自然・景観】
山・湖・森・川、四季折々の風景(紅葉・雪景色・星空)、五色沼や桧原湖、棚田などの自然美 - 【産業・観光資源】
スキー場、キャンプ、わかさぎ釣り、会津山塩、じゅんさい、高原野菜などの観光・農業資源 - 【教育・子ども】
少人数教育、学校行事、学校給食、学校と地域が連携した学び、自然体験 - 【文化・歴史】
祭りや神楽、柏木城、二つ児参り、噴火の歴史など - 【コミュニティ・人間関係】
顔の見える関係性、世代間交流、祭りでの役割分担、地域のつながり
こうした資源や関係性を、今後も大切にしながら活かしていくことが共有されました。
2 「教育」をテーマにした未来像
北山会場でも、「教育」を中心テーマとして、次のような論点が出されました。
- 偏差値や学歴だけにとらわれない、興味・関心を育てる学びへの転換
- 「言われたことをこなす」だけでなく、自ら考え、挑戦する力(主体性・個性)の育成
- 少人数教育の強み(個別対応、発表の機会、教員の目が届くこと)の最大化
- 都市部に比べて習い事や部活動の選択肢が少ないなかで、広域連携やオンライン授業の活用による機会の確保
- 祭りや田植え、自然体験、教育旅行など、地域資源を教材化した体験学習の体系化
- 体験を通じて「人の痛みがわかる力(共感力)」や「自分の考えを伝える力(表現力)」を育てること
- 都市部・海外との教育交流や受け入れプログラムを継続する仕組みづくり
- 交通・送迎のハードルや予算面など、事業を継続するための基盤づくり
共通して見えてきたこと
両会場を通じて、次のような共通認識が見えてきました。
- 「自然の中で暮らすこと」「顔の見える関係性」など、北塩原ならではの生活の価値をこれからも守っていきたいという思い
- 少人数だからこそ、一人ひとりの「好き」や可能性を早く見つけ、地域の体験と結びつけて育てていくことの重要性
- 教育や地域づくりの取組を続けていくうえで、交通・予算・人材などの「続けるための仕組みづくり」が欠かせないこと
- 行政に対する厳しい意見もある一方で、「行政と一緒に、できるところは自分たちで動きたい」という協働に前向きな姿勢があること
今後について
今回のみらいトークでいただいたご意見やアイデアは、現在策定を進めている次期総合振興計画のビジョンや施策の検討に活用していきます。
また、「若い世代の意見を聞く場があってよかった」「こうした場を継続してほしい」といった声も多くいただきました。今後も、計画づくりの途中経過を共有しながら、住民の皆さんと一緒に北塩原村の未来を考える場として、みらいトークを継続開催していきます!

