国民健康保険で受けられる給付について
●病気やけがをしたとき、お医者さんや薬局に保険証を提示すると、一部負担金を支払うだけで医療を受けることができます。
ただし、状況によっては国保が使えない場合もあります。
国保で受けられる医療
■診察
■入院・看護
■医療処置・手術など
■在宅療養・看護など
■薬や治療材料の支給
■訪問介護
国保が使えないとき
◎病気とみなされないもの
■健康診断・人間ドック・予防注射
■正常な妊娠・出産
■経済上の理由による妊娠中絶
■美容整形・歯列矯正
■単なる疲労や倦怠
■軽度のシミ・あざ・わきが等
◎ほかの保険が使えるもの
■業務上(仕事中や通勤中)の病気やけが⇒労災保険の対象になります
■以前勤めていた職場の保険が使えるとき
◎保険給付が制限されるもの
■喧嘩、泥酔などによる病気やけが
■故意の事故や犯罪による病気やけが
■医師や国保の指示に従わなかったとき
一部負担金
一部負担金の割合は以下の通りになります。
負担割合対象年齢 | 負担割合 |
0歳から18歳まで(18歳到達後の3月31日まで) | 0割 |
18歳(18歳到達後の4月1日)から69歳まで | 3割 |
昭和19年4月2日以降に生まれた人 | 2割 |
昭和19年4月1日以前に生まれた人 | 1割 |
70歳から74歳で現役並所得者(※1) (同一世帯の中に、住民課税所得145万円以上がある70歳以上75歳未満の国保被保険者がいる人) |
3割 |
※1 該当者の収入の合計が2人以上で520万円未満、単身で383万円未満の場合は、申請により2割負担(昭和19年4月1日以前に生まれた人は1割負担)に軽減されます。
いったん全額自己負担したとき
次のような場合には、いったん自己負担になりますが、国保の窓口(住民課窓口)に申請して審査決定されれば、自己負担分を除いた額があとから払い戻されます。
1、急病などでやむを得ず、国保を扱っていない医療機関にかかったり、保険証を提示せずに治療を受けたとき
申請に必要なもの⇒●診療内容の明細書 ●領収書 ●保険証 ●印鑑
2、治療用装具(コルセット、ギプス、義足など)を購入したとき
申請に必要なもの⇒●医師の診断書か意見書 ●領収書 ●保険証 ●印鑑
3、輸血のための生血代(病院を通じて購入した場合)
申請に必要なもの⇒●医師の診断書か意見書 ●輸血用生血液受領証明書 ●領収書 ●保険証 ●印鑑
4、国保を扱っていない柔道整復師の施術代(骨折、脱臼、捻挫など)
申請に必要なもの⇒●明細がわかる領収書 ●保険証 ●印鑑
5、はり・きゅう・マッサージを受けたとき
申請に必要なもの⇒●医師の同意書 ●領収書 ●保険証 ●印鑑
6、海外滞在中に医療機関にかかったとき(医療目的で渡航した場合は除く)
申請に必要なもの⇒●診療内容の明細書と領収書(外国語のものは日本語の翻訳を添付) ●保険証 ●印鑑
出産・死亡・移送
次のような場合にも、それぞれ国保から給付が行われます。
◆子どもが生まれたとき(出産育児一時金)
国保に加入している人が出産したときに支給されます。妊娠85日以降であれば、死産・流産でも支給されます。
出産育児一時金は原則として、国保から直接医療機関に支払う「直接支払制度」が導入されています。
また、産科医療補償制度に加入している分娩機関で出産した場合には、1万6千円を上乗せして支給されます。
申請に必要なもの⇒●母子健康手帳 ●保険証 ●印鑑
※死産・流産の場合は「医師の証明書」
◆死亡したとき(葬祭費)
被保険者が亡くなったときに、葬祭を行った人に支給されます。
申請に必要なもの⇒●死亡を証明するもの ●保険証 ●印鑑
◆移送の費用がかかったとき(移送費)
重病などで、医師の指示により入院や転院が必要な場合に移送の費用がかかったとき、申請して国保が必要と認めた場合に支給されます。
申請に必要なもの⇒●医師の意見書 ●保険証 ●印鑑 ●領収書(移送区間、距離、方法のわかるもの)
訪問看護ステーションなどを利用したとき
◆訪問看護療養費
在宅で医療を受ける必要があると医師が認め、訪問看護ステーションなどを利用した場合に、費用の一部を利用料として支払うだけで済みます。
残りの費用については国保が負担します。
保険証を訪問看護ステーションなどに提示してください。
交通事故などにあったとき
◆第三者行為による病気や怪我
交通事故をはじめ、第三者の行為によって傷病を受けた場合にも、国保で治療を受けることができます。
本来、治療費は加害者が支払うものですが、一時的に国保が立替払いをして、あとから国保が加害者に費用の請求をします。
示談の前に必ず国保に連絡をして、届け出るようにしてください。
1. 交通事故にあったときには必ず警察に連絡をして「事故証明書」をもらってください。
2. 「事故証明書」「保険証」「印鑑」をご持参のうえ、国保の窓口で「第三者行為による傷病届」を提出してください。
※傷病の状況や、相手の保険加入状況などを記入します。
3. 治療費を受け取ったり示談を結んでしまったりすると、給付ができなくなってしまうことがあります。
入院したときの食事代
入院をしたときは、診療や薬にかかる費用とは別に、食費の一部を自己負担します。
残りの費用は、国保が負担します。
◆入院したときの食事代(1食あたりの標準負担額)
一般(下記以外の人) | 1食360円 | |
住民税非課税世帯 低所得 2 |
過去1年間の入院が90日以内 | 1食210円 |
過去1年間の入院が91日以上 | 1食160円 | |
低所得 1 |
1食100円 |
※住民税非課税世帯、低所得 2 ・ 1 の人は、医療機関の窓口で「標準負担額減額認定証」または「限度額適用・標準負担額減額認定証」の提示が必要です。
担当の窓口で申請してください。
◆療養病床に入院する場合の食費・居住費
65歳以上の高齢者が療養病床に入院するときには、食費・居住費の一部を自己負担します。
食費 (1食につき) |
居住費 (1日につき) |
|
一般(下記以外の人) | 460円 | 320円 |
住民税非課税世帯・低所得 2 | 210円 | 320円 |
低所得 1 |
130円 |
320円 |
※入院時に負担した食事代は、高額療養費の対象外です。